不動産投資にチャレンジしたいけど万が一失敗して自己破産になったらどうしよう〜。
今回はみなさんの資産を守る為の対策を現役営業マンの私が解説いたします。
不動産投資を検討している方の中には、万が一失敗して自己破産になったらと不安を持たれている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
不動産投資には失敗するリスクがあるため、ローンが返済できずに自己破産をする人もいます。
しかし、欲張った投資プランでなく、ご自身の属性に合った投資プランを行うことによって、自己破産をするようなリスクを最小限に抑えることができます。
そこで、この記事では、不動産投資で実際に自己破産した事例や、自己破産にならないように注意するポイントなどについて詳しく解説をしていきます。
最後まで読んでいただき、不動産投資の参考にしていただけると幸いです。
不動産投資での自己破産の発生率について
「リスク管理債権状況調査」によると、国内107銀行の2021年3月期決算で、「リスク管理債権比率」は1.33%となっています。
「リスク管理債権」とは、何らかの理由により、返済されないなどの貸出金のことであり、「リスク管理債権比率」とは、貸し出されている全債権の中で、返済が滞納されている債権の割合のことを指します。
不動産投資での「破産」とは、物件の運営がうまくいかず、物件購入時に組んだローンの返済が滞ってしまうことを指します。
不動産投資では、不動産を売却しても借金が残ってしまう場合、法的な措置「自己破産」という選択を取る形になります。
不動産投資で自己破産になるまでの流れ
不動産投資をする人の多くが、ローンを組んで物件を購入します。
ローンは、当然ながら「借金」なので返済義務があります。
しかし、「予想以上に空室率が高い」「想定していない修繕費が必要になった」このような不測の事態が起これば、ローンの返済が難しくなってしまいます。
ローンが支払えなくなっても、売却さえできれば債務はなくなります。
しかし、不動産は基本的にローンを完済しなければ売却できません。
その理由は、ローンが残っている不動産には「抵当権」が設定されているからです。
債務者による返済が一定期間滞れば、金融機関は抵当権を行使して不動産を強制的に競売にかけ、債権を回収します。
つまり、「ローンが返済できない」「ローン残債以上で売ることもできない」「不足分を充当する自己資金もない」という状況になれば、オーナーは身動きが取れなくなってしまうのです。
ローン返済が滞れば、まず金融機関から督促状が届きます。
それでも一定期間、継続して返済しなければ、金融機関は抵当権を行使します。
契約で決められた返済義務を果たさない債務者は「期限の利益」を喪失し、残債の一括返済を求められます。
当然ながら、毎月の返済もままならない中、一括返済などできない為、物件は強制的に差し押さえられ、競売にかけられてしまいます。
競売では、売却時期や売却金額について所有者の意向が考慮されることはありません。
債権回収会社や裁判所が主導となって、公告、調査、入札、開札、落札の手順で競売は進みます。
裁判所|不動産競売手続きについて
競売では、相場価格を大きく下回る金額で落札されることも少なくありません。
ローン残債が資産価値を上回っているからこそ競売になるケースが多いため、多くの場合、競売後も債務が残ります。
残った債務は、基本的に一括返済を求められます。
月々のローン返済もままならなかった債務者が、相場を下回る落札価格により残った債務を一括返済することは容易ではないでしょう。
結果として返済不能に陥ってしまい、泣く泣く自己破産を選択する方も少なくないのです。
不動産投資で自己破産する人に共通している失敗とは
買主に不利な契約をしてしまい、余裕を持った返済ができなくなった
1つめの失敗は、「買主に不利な契約をしている」ことです。
知識の少ない不動産投資初心者にとっては、締結しようとする契約が自分にとって不利になるのかどうか、判断が難しい場合が多いです。
購入する物件のエリアや価格、賃料設定などが「きちんと収益を得られるものか」「相場と合っているか」という判断は素人には難しく、特に押しの強い不動産会社の営業マンに勧められるがまま購入してしまうことも少なくありません。
その結果、相場よりも高い価格で購入してしまっていたり、相場と合わない賃料設定をしたためなかなか入居が決まらなかったりして、結果的にキャッシュフローが出ず返済が難しくなってしまうのです。
諸費用や維持費の見通しが不十分で、返済に充てるために自己資金を切り崩すようになった
2つ目の失敗は、「諸費用の見通しが不十分である」ことです。
当然、不動産投資で収益を得るためには収入が支出を上回っていなければなりません。
しかし、諸費用や維持費の見通しが不十分でリフォーム代などの費用が大きくなってしまった場合や月々のローン返済額が大きい場合、収入より支出が大きくなってしまいます。
結果、家賃収入から返済金に充てることができずに自己資金を切り崩すようになります。この状態が続けば、自己資金も底をつき破産への道を辿ることは自明です。
フルローン、オーバーローン、高金利でのローンを利用しており、月々の返済額に収入が追いつかなくなった
3つ目の失敗は、「フルローン、オーバーローン、高金利でのローンを利用している」ことです。
たしかに、自己資金を出さずに物件を取得できるのは、購入する人にとっては魅力的に思えるかもしれません。しかし、フルローンやオーバーローンにはリスクが大きいです。
借入の割合が大きいと、それだけ月々の返済額が大きくなります。想定外に物件の空室が増えた時や家賃滞納が増えた時のキャッシュフローが悪くなりやすく、赤字経営に陥りやすくなります。
空室の状態が続いて、月々の返済を家賃収入から賄うことができなくなった
4つ目の失敗は、「空室が続いている」ことです。
不動産投資での収益の柱は「家賃収入」になります。
空室が続き収入源である家賃額が減少してしまった場合、当然キャッシュフローは赤字になりやすくなります。特に空室リスクの高いワンルームマンションを購入している場合は、赤字のリスクも高まります。
上記の失敗をおこさないようしっかりと計画を立てましょう!
不動産投資で自己破産になった事例
- 住宅ローンで不動産投資を行った
- 不動産を高値で購入してしまった
- 立地選びを間違えていた
- 返済能力以上の融資を受けた
住宅ローンで不動産投資を行った
投資不動産を購入するか、自宅を購入するかによって、利用できる融資の種類が異なります。
投資不動産の場合は不動産投資ローンを利用し、自宅の場合はよく耳にする住宅ローンを利用します。
不動産投資ローンより住宅ローンの金利が低いため、中には住宅ローンをすすめてくる業者もあります。しかし、万が一住宅ローンを利用して投資不動産を購入したことが銀行にバレてしまった場合、契約違反ということで金融機関から一括返済を求められて、自己破産するケースは意外と少なくありません。
不動産の購入は誰しも経験されることではないため、住宅ローンを不動産投資に利用できないことを知らない方も少なくないでしょう。
知らずに契約違反のことをしまい自己破産に追い込まれた方も多いので、投資不動産は住宅ローンが利用できないことを覚えておきましょう。
不動産を高値で購入してしまった
不動産を相場の価格よりも高値で購入してしまい、想定よりも収入が入らず、ローンの返済が滞って自己破産する事例です。
相場より高値で購入しても、家賃も高く設定できるわけではないので、収益が悪化してしまいます。
物件を購入する時に、複数の会社の物件で比較したり、相場利回りを把握するなど、物件価格の妥当性に注意するようにしてください。
立地選びを間違えていた
不動産投資には、空室のリスクや立地環境が変化するリスクなどがあります。
こういったリスクが高い不動産を購入してしまったために、自己破産するケースも珍しくありません。特に、立地環境の変化によって需要が低下して、家賃を下げざるを得なくなり収益性が悪化するケースは非常に多いです。
このように、空室のリスクによって収益性が悪化して自己破産するケースもあります。
通勤・通学しやすい路線がある、最寄り駅から徒歩10分以内、スーパーなど生活しやすい環境であるなど、物件の立地についてくれぐれも事前調査を行うようにしましょう。
返済能力以上の融資を受けた
融資枠を返済能力と勘違いして、返済能力を上回る融資を受けると、返済ができず自己破産に至る可能性が高くなります。
不動産投資ローンの融資額は、大体ご年収の5〜10倍が一つの目安です。
例えばご年収500万円の方であれば、2,500万円〜5,000万円が融資枠の幅と言えます。ただし、融資額が大きければ当然返済額も増えます。万が一空室になったとき、その分ご自身のポケットマネーから返済しなければいけないので、注意が必要です。
また、不動産会社の営業は売ってなんぼの世界なので、融資枠いっぱいまで提案されるケースも多くあります。しかし、借りることできるけど返せるかどうかはまた別の話です。
しっかりと返済シミュレーションを行い、返済可能な融資額を把握することが重要です。
上記の事例を踏まえてポイントをしっかと押さえましょう!
自己破産する前に検討すべきこと3選
- 任意売却
- 任意整理
- 個人再生
任意売却
まず、ローンの返済が難しくなった場合に、金融機関に相談して任意売却を検討してください。
ローンを返済せずに滞納した場合、金融機関やサービサーによって不動産が競売にかけられます。競売にかけられると、不動産は相場の5〜8割程度の値段で売却されます。
そのため、競売を防ぐために任意売却を検討する必要があります。ただし、任意売却をしてもローンを返済できない場合には、自己破産も検討しなければいけません。
任意整理
自己破産は選ぶ前に、任意整理で済む場合もあります。
任意整理は、利息を減額するなど、借金を少なくする方法です。自己破産と同じ債務整理の方法のひとつで、欠点が少ないのが特徴になります。
信用情報機関に登録される期間が5年と短いことや官報に載らないことなどが自己破産との違いです。このように、債務整理の中でも欠点が少ないため、生活への影響が最小限にできます。
個人再生
個人再生も債務整理の方法のひとつです。
特徴としては、借金が80〜90%程度の減額が可能なことが挙げられます。自己破産と同様に、官報に載ることや信用情報機関の登録期間が長いなどの欠点があります。
しかし、借金を大幅に減額できるのと財産を処理しなくてもいいのは、大きな利点です。任意整理でローンの返済ができない場合には、個人再生を検討してみてください。
不動産投資で自己破産を避ける方法
不動産投資のリスクを正確に理解する
不動産投資には、リスクについて正確に理解することが重要です。
リスクを正確に理解することで、対策をするなど収益の悪化を防げます。
例えば、空室のリスクの場合には、人口予測や立地を吟味することで低下させることが可能です。
このように、不動産投資はリスクがあると理解することが重要になります。
収支シミュレーションを徹底的におこなう
収支シミュレーションを徹底することも不動産投資で失敗しないために重要です。
シミュレーションを怠ると、修繕費や改修費などの将来的に必要となる諸経費を貯めることができません。そうなると、必要な修繕が出来ず空室リスクが高まる負のループに入ってしまいます。
このような事態を引き起こさないためにも、資金管理は重要です。
信頼できる担当者にサポートしてもらう
信頼できる担当者にサポートしてもらうことも不動産投資を成功させるうえで非常に重要です。
悪意がある担当者だと、住宅ローンで投資用物件を買わせようとするなど、リスクを考えない不動産投資を勧めてきます。一方、信頼できる担当者の場合、リスクを考慮した安定して稼げる物件を勧めてくれるのです。
そのため、信頼できる担当者にサポートしてもらうことで、安定した不動産投資をおこなうことができます。
無理な借り入れはしない
不動産投資における融資限度額の目安は、年収の10倍ともいわれています。
しかし、たとえ借り入れ可能だったとしても、物件の資産価値や収支計画に見合わない金額の融資を受けることは避けましょう。
「フルローン」には要注意!
新築物件など、フルローンで融資を組める収益物件もあります。
しかし、取得金額のすべてをローンに頼るのは危険。なぜならオーバーローンになってしまう可能性が高いからです。
新築物件は購入後すぐに2割ほど価値が下がるともいわれています。たとえば3,000万円の物件も、購入直後に2,400万円ほどの価値になってしまうこともあります。
先述通り、不動産は基本的にローンを完済しなければ売却できませんので、オーバーローンの状態は自己破産のリスクが高いといえます。
オーバーローンになってしまうのを避けるためにも、収益物件の購入ではある程度の頭金を入れることを検討しましょう。
まとめ
自己破産しないよう事前にリスクを把握することが大事なんですね!
はい!リスクを把握しておくことで事前にしっかりと対策をおこなうようにしましょう。
不動産投資はメリットもたくさんありますが当然リスクもあります。
特にレバレッジを効かせた取引は、金額が大きくなる為間違った選択をすると将来に渡り取り返しがつかなくなるケースもでてきます。
不動産投資のリスクを正確に理解することで、失敗のリスクを下げることは可能です。
しっかりと不動産投資のリスクや自己破産について理解し、対策をおこなうことで資産を築いていきましょう!
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